2017年6月25日の「さまぁ~ずの神ギ問」で、「$(ドル)なんでSなの?」 について説明がありました。
アメリカの紙幣を扱っている製版印刷局(日本で言うと日本銀行)のホームページには、$起源は、諸説あるそうですが、広く知られている説は、メキシコやスペイン語圏通貨で流通量が多かった8レアル銀貨(ペソ銀貨)の通貨単位のPesoは、頭文字のPと、複数形のSで、P’sと表記されていたそうで、このSが徐々にPに重なって、$になったそうです。
その他の諸説は、下記の通りです。
静岡産業大学経済学部特任教授の松本幸男先生の話では、1つの有力な説としては、柱と、旗を図案化したものだそうで、スペインの8レアル銀貨には、2本の柱が描かれていて、そこにスペイン国旗がひらめていて、この旗をSに見立てて、柱を縦の2本線と書くと、2本線が入ったドルとなったそうですが、2本書くのが面倒なので、柱が1本の$になったそうです。
新・世界貨幣大辞典などを執筆しているコイン研究家の平本啓一さんの話では、スペインのSに18世紀の8レアル銀貨に、描かれている2本の柱が重なって、2本線が入ったドルの図案ができたそうですが、2本だと煩雑なので、$になったそうです。
その時代は、経済活動のほとんどを、スペインドルが席巻していたので、お金と言えばスペインと言うイメージがあったと考えられるそうです。
英語史研究家の佐久間治さんの話では、昔からSに棒を引っ張った記号と思い込んでいますが、あれは、数字の8を図案化したもので、8レアル銀貨は、北アメリカで、1ドル銀貨として、そのまま使われていたそうで、つまり、8レアル銀貨=1ドル銀貨で、この意味合いを記号化したかったそうです。更に、英語圏には、数字の2や、アルファベットのZの様に、見分けがつきにく文字には、線を入れる文化があった為、数字の8にお団子の様に上と下に、線を入れて、これは8ではなく、記号だと言うことで棒を入れたそうですが、その後、図案として、Sの形の様になったとの事です。1880年代の求人広告には、縦の線が貫いていない$が記載されているそうです。
プリンストン大学で、貨幣の研究をしているアラン・スタールさんの話では、イギリスのポンドのサインに由来するのではないかと言っているそうで、14から15世紀のイタリアの会計書類で使用されていた、ポンドの省略文字が、$に似ているそうです。
そもそもなぜ、ドルと呼ぶかと言うと、ボヘミヤのある町で、500年位前に、発行されていたターラー銀貨があり、そのターラーから、ドルを表すダラーに変わったそうです。
そして、ネット情報では、セントの¢は、ドル記号に習って、線を入れたそうで、¥は、海外では、Yenと言われるので、この頭文字Yに、ドル記号に習って、横線を入れたそうです。
たぶん、オーストラリアや、ニュージーランドもドルを使っていますので、起源はこのアメリカと同じ様な感じだと私は思います。
尚、オーストラリアでは、オーストラリアドルは、AUDやA$と記述され、ニュージーランドのニュージーランドドルは、NZDや、NZ$などと略されます。
ニュージーランドでは、オーストラリアの2ドルコインがニュージーランドの2ドルコインと同じ様な大きさなので、お釣りで、オーストラリアの2ドルコインが来る場合があります。現地の人達は、あまり意識していない様です。